がんの中でも特に「発見が遅れやすい」「進行が早い」とされる膵臓がん。名前は聞いたことがあっても、症状や検査方法、予防法について詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか?今回は、膵臓がんの特徴や気をつけたいポイントについてわかりやすく解説します。
■ 膵臓とは?なぜ“がん”になると怖いのか?
膵臓(すいぞう)は、胃の裏側に位置する細長い臓器です。インスリンなどのホルモンを分泌して血糖値を調整したり、消化酵素を出して食べ物を分解したりと、体にとって欠かせない働きをしています。
しかし、膵臓は他の臓器と比べて“がんが見つかりにくい”場所にある上に、早期の段階ではほとんど症状が出ないため、「沈黙のがん」と呼ばれることもあります。
■ 膵臓がんの初期症状は?
実は、膵臓がんの初期にはほとんど自覚症状がありません。進行してから現れることが多い症状としては、
・みぞおちや背中の痛み
・急な体重減少
・食欲不振
・黄疸(目や肌が黄色くなる)
などがありますが、これらの症状も他の病気と区別がつきにくいため、発見が遅れがちです。
■ 膵臓がんの主なリスク要因
膵臓がんの発症には以下のようなリスク因子が関係しているとされています。
・喫煙(特に長期喫煙者)
・慢性膵炎の既往歴
・糖尿病(特に発症してから間もない場合)
・肥満
・高脂肪食や過度なアルコール摂取
・家族歴(親・兄弟姉妹に膵臓がん経験者がいる)
これらに該当する方は、特に注意が必要です。
■ 膵臓がんの検査・診断方法
膵臓がんの診断には以下のような検査が用いられます。
・腹部超音波検査
・CT検査
・MRI
・内視鏡的超音波検査(EUS)
・腫瘍マーカー(CA19-9など)の血液検査
ただし、腫瘍マーカーだけでは確定診断できないため、複数の検査を組み合わせることが一般的です。
■ 早期発見のカギは“自分から検査すること”
膵臓がんの5年生存率は、他のがんと比べて非常に低く、早期発見が命を左右するがんと言えます。定期健診では見つからないことも多いため、少しでも「気になる症状」や「リスク因子に当てはまる」場合は、積極的に専門的な検査を受けることが重要です。
最近では、自宅でできるリスクチェック検査や郵送検査キットなども普及してきており、「病院に行くほどではないけど不安」という方にもおすすめです。
■ 膵臓がんを防ぐ生活習慣とは?
膵臓がんを100%防ぐことは難しいですが、リスクを下げることはできます。具体的には、
・禁煙する
・野菜や果物を多く取り入れる
・飲酒を控える
・適正体重を維持する
・糖尿病の管理をしっかり行う
といった基本的な生活習慣の改善が大切です。
■ まとめ
膵臓がんは、見つかりにくく進行も早いため、特に**「予防」と「早期発見」**が大切です。何となく体調がすぐれない、最近急に体重が減った、背中が痛い…そんな小さなサインを見逃さず、自分の健康に向き合うことが命を守る第一歩になります。
「気になったときに、すぐ検査」が、膵臓がんから身を守る最善の方法かもしれません。